「巨峰」の生家探訪

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皆さんはブドウの王様とも呼ばれる「巨峰」が伊豆で誕生したことをご存知ですか? 正確には私のアトリエから車で10分ほどの場所、当時の下大見村の研究所で昭和20年、巨峰は誕生しました。
その研究所の主人である農学者の大井上康氏は植物に必要最低限の量だけ栄養素を与える「栄養週期理論」を提唱しましたが、当時の農学会から異端視されたため、民間の育種家として自らの農業理論を実践することを決意し研究所を設立、ブドウの研究に打ち込みました。そして20年の歳月をかけ巨峰を完成させたのです。その名前は研究所から望む富士山にちなんで付けられたそうです。
 大正時代に建てられた研究所が今も記念館として現地に残されているということを知り、先日私も訪れてみました。
 小高い山の上にひっそりと佇むその建物はこぢんまりとしていて、洋風のかわいらしいデザインが印象的です。そして少し歩くと見晴らしのいい場所に出て、遠くには富士山の姿が。氏も見たであろうその景色を眺めながら、しばし当時に思いを馳せました。
 次に巨峰を食すときには、この研究所とあの富士山の眺めを思い出しながら味わいたい。そんなことを思いながら、その場を後にしました。

大井上先生が自ら設計した研究所。洋風のデザインがカワイイです。
窓の外から屋内を覗いてみました。学術書がいっぱいです。
遠くには富士山。大井上先生も見たであろう景色です。

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